実験

高校生、あるいは高校の先生と一緒にやってみたい実験がいくつかある。橋本は元々が生化学に近い分子生物学なので、生き物を直接観察するような実験は基本的に苦手である。苦手というよりも、そもそもの実験手法をよく知らない。また、研究者として取り組んできた分野が発生学なので、その辺りの方法に関して少しは知っているのだが、いかんせん発生学は時間がかかるので実習形式にはしづらい。ということでやってみたい実験とは分子生物の基本的な実験である。特殊な装置は必要としない実験だと思うのだが、でも研究室に普通に存在する装置や試薬が高校の実験室にはないことがあるので、かなりの準備はこちらでやっておかなくてはならない。

で、何をしたいのかといえばいくつか思い浮かぶ。たとえば、DNAは壊れにくくRNAは壊れやすいことを示す実験などはやってみたら面白いと思っている。DNA溶液とRNA溶液を室温で放置する、あるいは熱をかけるなどしてみてから電気泳動して壊れ具合を観察したら面白いことが見えてくると思う。Mg2+の有無によって何かが変わるかも見てもらいたい。ここで何が言いたいのか、分かる方にはご理解いただけると思う。

とは言うものの、理科部と一緒に研究をしようという話になってもまったく進まない現実があって、たったこれだけの実験でも実現には長い道のりがあるんだよなあ。