好き嫌い

食事の好き嫌いについて「?」と感じることがある。

言葉では表現が難しいのだが、

好き嫌いという言葉の定義というか意味することが人により異なると感じるのだ。

 

「好き嫌いはない!」と私は言っている。

体調やその他の理由によってそのときに食べたくないものはある。

たとえば昼にカレーの大盛りを食べて、夜にカレーはさすがに食べたくない。

でもこれはさすがに「好き嫌い」ではないだろう。

また、味の好みもあって、たとえば異常なくらいの激辛なんて食べられない。

こういう意味では、「異常」ではなくても味の濃いモノが好き(嫌い)ってのはあるだろうし、

比較的辛いものを好む人と、辛いものはまったく食べられない人があるが、

これを私は「好き嫌い」の範疇に入れない。

好き嫌いとは「これが食べられない」という感じの、

焼飯から細かいにんじんだけをひとつずつ取り除いているひととか、

キノコが入っている料理はキノコ以外のものも含めて一切食べないとか、

なんて言ったらいいのだろうか、

とにかく「ワガママ」に感じられるのが私にとっての「好き嫌い」に該当する。

料理の味ではなく「その素材をとにかく徹底的に嫌う」のが好き嫌いなのだろうと思っている。

 

と書いても、「ワガママ」と言う言葉自体がきわめて主観的であるから、

「辛いものが食べられない」ことを「ワガママ」だと感じる人がいるかもしれない。

名古屋名物の味噌カツが苦手な人は

私にとって単なる個人の嗜好であって「好き嫌い」ではない。

ここでも、食材の「味」が嫌いだから、その食材の入っているものをすべて食べないと言われたら、

私の言う「味付けの好み」の問題と何が違うのか返答に困るのだが、

でも気持ちの奥底で「両者はまったく異なる!」と感じている。

私は脂・油がかなり苦手である。

マグロのトロも酢飯に乗ったものを最初に一口食べると美味しいのだが、

それでもう十分である。

だから、基本的には脂ぎった料理はそこそこ苦手だ。

美味しいと感じられることもあるが、体が量を受け付けない。

これが好き嫌いだと言われると「なんか違う」と感じてしまう。

 

長々と書いているが、言いたいことはこうである。

以前、そこそこ私が感じる「好き嫌い」の極端に多い子がいた。

食べるのが好きな私がどの店にも連れて行けないくらいに広範囲の好き嫌いがあった。

私は甘いものが苦手である。

若い頃はそれでも食べられたのだが、いまはもう絶望的に食べられない。

甘いものの味は好きだといまでも思っているが

実際に口にするとほんの少しが限界である。

これをさして「橋本さんだって好き嫌いがあるじゃないですか!」と半ばキレられた。

このときに強烈な違和感を覚えたのだ。

麻婆豆腐は好きだが辛すぎると食べられないというのは好き嫌いではないと思う。

私は近場の中華料理屋にいってメニューなど見ずに「辛いのん」を注文する。

私には食べられるが辛いものが苦手な人には無理なくらいの料理が出てくる。

ここで、それを食べられない人をつかまえて「好き嫌い!」だとは決して思わない。

だから、味付けの好みと好き嫌いという言葉との間には私には大きなギャップがある。

 

みなさんはいかがお感じだろうか?