サマースクール

夏になると生命誌研究館では、一般の方々に研究活動をしてもらう企画をしています。

今年は、先週の木・金の二日間に渡って北は北海道から南は沖縄まで(とは言うものの九州と四国からの参加者はなしですが・・・)、さまざまな場所からお集まりいただきました。当研究室でも3名の方に来ていただき実験をしていただきました。脳外科医・高校の先生・高校生という多様性にとんだ方々で、こちらもたくさん学ぶ事がありました。

行なっていただくことは、大腸菌から実際にプラスミドDNAを回収していただく事と、DNAを制限酵素と呼ばれる「はさみ」で切断して、その切断部分が元のDNAのどこであったのかを解いていただく事でした。これら二つの事は、実はかなりしっかりとした意味があって、単なる実習を超えた本格的な実験であり研究なのです。

皆さんは、日常お使いとは全く異なる脳みその部分に汗をかきながら、一所懸命に課題に挑戦してくださり、そして完全にクリアしてくれました。このお集まりいただいた方々のすごいところは、スクールの時間を超えてとにかくさまざまな実験をしてやろうという意欲にあふれたところです。一人の方は前日(水曜日)の早朝からご参加くださり、スクールで行なう実験の準備のほとんどを手伝ってくださいました。他の方々も当日には9時にはお越しになって実験を始めましたので(公式の実験開始は午後1時からなのに)、二日分の実験がほぼ初日で終わりそうになりました。最終日も、5時過ぎには全日程の終了なのですが、終了後に「カエル胚発生過程のサンプルを作って持って帰りたい!!」といきなり学校教材の作成が始まりました。結局終了は9時を回り、こっちとしても「こんなに遅くなって高校生はホンマに大丈夫なんか?」と心配をしたくらいです。余談ですが、この「教材」は優れもので、カエルの発生過程を単純に観察できるのはもちろんなのですが、実は胚が透明になっているので普通なら見えない内部の構造が見えるので学校教材としては完璧です。だから、皆さんは時間を無視して作ったのでしょうね。

なんにしても、楽しい時間を過ごしました。