博物学者
広大両生研と進めている両生類の原腸形成運動の話を考えていて、
なんか「博物学」的な研究だなあと感じた。
で、そこからの連想である。
博物学を英語でnatural historyといい、博物学者をnaturalistというのだが、
カタカナで「ナチュラリスト」として辞書を引けば
1 自然に関心をもって積極的に自然に親しむ人。
また、自然の動植物を観察・研究する人。
2 自然主義者。
とある。
なんか「博物学」のイメージとは違うなあと思い、
こちらを辞書で引いて見たところ、
動物・植物・鉱物・地質など天然物全体にわたり種類・性質・分布や生態を研究し記載する学問。
自然誌。
とあった。
博物学者はこれを研究する人間を指すのだろうから、
やはりナチュラリストとは違うような気がする。
ナチュラリストって表現が古くからあるとは思えない。
せいぜいこの10年ほどのことだろうと思う。
このカタカナ言葉が、もともとの博物学者の意味から別れたのだろうか?
それとも、ナチュラルというカタカナ語からの「造語」なのだろうか?
どちらなのかは分からない。
このようなカタカナ語が日本語の豊かな表現に深みを与えているのか
それとも本来の意味を損ねて混乱へと導いているのだろうか?
どちらの可能性もあるとは思う。
日本(語)に本来なかった言葉を輸入する意味でのカタカナ語は仕方ないかもしれないが、
このような「造語」はあまり良いとは思えないなあ。