読む速度

最近(と言ってもこの20年)くらいの推理小説、

まあ新本格っていうのか、第三の波というのか、その辺りのミステリは、

時間をかけることなく割と簡単に読むことができます。

しかし、むかしのミステリは、なんて言うのか?

重量感とでも言ったら良いのか分かりませんが、

とにかく文章の密度が高くて読むのに時間がかかります。

 

ここで、こう言ってしまうとめちゃくちゃに失礼な話ですが、

むかしのというのは、探偵小説専門の作家の文章ではなく、

俗にいう文学作品をしっかり書いている作家の文章なので、

これが表現力というか筆力というか、

まあそういったものなのかなと思ったりします。

要は、ただの一行に、一行分以上の表現が詰め込まれているので、

それを読み取るのに時間がかかるのかな?ってことです。

 

もちろん文体への慣れとかもあるのでしょう。

むかしの文章には馴染みがないってだけの理由かも知れません。

実際のところはどうなのかな?

ただし、誤解のないように書いておきたいことは、

時間がかかるのは読みにくいってこととは違います。

もの凄く面白いし、文章も素晴らしいのです。

難解というのではないことは言い切れます。

まあ、時間がかかるってのを違う表現すれば、

読んだあとの疲れ方が違うってことです。

脳が「仕事をしたなあ」って一息つく感じです。

分かってもらえるかなあ?