お試し留学

「文部科学省は、日本への留学に関心のある外国人学生を2週間ほど無料招待し、

東日本大震災の被災地などを訪れてもらう「お試し留学」を年度内にも実施する方針を固めた」

と何日か前の読売新聞に出ていた。

非常に良いことだと思う。

以前にも書いたように思うのだが、

その国の中で選ばれた若者を日本に受け入れ

日本国の良い面を存分に知らしめて、

言わば「日本好き」になって帰国してもらうことは

今後数十年の期間で考えたら外交的にも良いことだろう。

これまで日本に来る留学生は日本を嫌いになって帰国する人が多いと聞く。

何となく「村社会」的な思想を持つ国民性だから

どうしても排他的な思想になりがちなのは理解できるのだが、

それでも、たとえ経済面でもいいから可能な限りの援助をしてあげ、

かつ「排他的」日本人の考え方も

留学生を普通に受け入れることによって少しずつ変えられるとしたら、

次世代を背負って立つ若者たちに取って良いことばかりではないだろうか。

貢献すらまったく認知されない援助をするよりも

その国の次代を担う若者に日本を好きになってもらう方が

よほど意義深いように思えてならない。

 

私は関西人なので、関西人特有のうれしがり・いちびりの精神に満ちている(と思う)。

だから、お客さんが来たらとにかくいろんなことをしてあげたい。

上手いものを食べに連れて行きたいし名所観光にもつれ回したいと思っている。

自腹を切ってでも、極端に言えば借金をしてでもできる限りもてなして

「楽しかった」と言わせたいのだ。

突き詰めたら「相手のため」ではなく「自己満足」なのだろうが、

結果として相手にも喜んでもらえるのなら良いことではないか!

などと自己弁護をしながらも同じことを続けている。

研究室訪問に来た学生さんには夕食を無理矢理にも付き合わせるし、

行く店も、時間的に可能であればとっておきのところを選ぶ。

間違いなく喜んで頂けると信じる店に行く。

 

「関西人だから」とわざわざ書いたのは、

日本人全てが同じような感覚なのか分からないからなのだが、

でも、日本の田舎に行くと、心からの接待をしてくれるところが多いように思うので、

これは日本国民の心根だろうと思う。

取っ付きは、知らない人を警戒して排他的に見る傾向があるのだろうが、

それを越えたらおそらく留学生にも日本人の良いところ、

特に利他的な考え方や滅私的な立ち居振る舞いに

心を開いてもらえると思っている。

だからこそ、留学生に門戸を広げ、

且つ、その補助を最大限に行なうことは

現時点で下手な外交をするよりもよほど日本の地位を高めることになると思うのだ。