Keep it open 2

昨日、「ローマの休日」を見ていて、王女様がお付きの女性に扉を開けておくように命じる場面で、”Keep it open”と言っていた。これは、わざわざ手で支えて開けておくのではなく、「開けたままにしておくように」と命じたものだ。

なるほど、と思った。でも、この「なるほど」を表現できない。ただ、この表現に関して以前に書いたものとは小さな矛盾が生じるので何か書かなくてはならないと思った。いつも言うように、言葉の意味は文脈によって規定される。だから、一つの言葉であっても、それが使われているさまざまな状況を知ることによって、その言葉の意味を規定していくこととなる。日本人でも、同じ日本語の表現を同じ意味で用いているという保証はない。もちろんアメリカ人だって同じこと。だから、今回の映画の中での表現が加わることで、私の中でKeep it openの意味が明確になっていく。

今の感覚を表現してみると、「手で押さえる」というニュアンスは、命令されて逆らえない状況を示しているという感覚なのだろう。対して”Leave it open”はただそのままに放っておいてくれという意味合いなので、そこに相手に対する強い意志はない。Let it be.である。また違う状況を知ったら、この考えは修正されなければならないと思うが、今のところこんな感じでいいのだろうと思っている。ただ、最初に「なるほど」と書いたのは、いま書いたことは私のこれまでの理解とはそれほど異なっていないからだ。ただ、以前に書いた日本語の説明では間違いになってしまうので、少し修正をさせていただいた。