平均寿命
人間は100歳まで生きるようになるという記事を最近どこかで見かけた。
その中に、過去の日本人の平均寿命がのっており、
格段に長生きになった今の人類を見て「別の生物種」だとするコメントすらあった。
そこに載せられていた以前の平均寿命とは、
縄文時代で15歳、江戸初期で20代後半、江戸後期で30代前半だったと記憶している。
さて、平均寿命についてである。
ここに上げられた値が何を元にして書かれているのか分からないので
もしかしたら的外れなコメントになるかもしれないのだが、
平均寿命が30代前半の国って今の人類にもあるだろう。
というのは、平均寿命とはその年に生まれた子供の平均余命のことで、
発展途上の国では乳幼児の死亡率が格段に多いから
それが平均寿命を引き下げていると普通は考えるからで、
アフリカで飢饉や内乱で医療や栄養が不足している国や地域、
あるいは伝染病が蔓延している地域などでは主に子供が犠牲になり、
それによって平均寿命の値が低くなるということであって、
ちゃんと成長した大人が20歳や30歳で死ぬこととはわけが違う。
もちろん、先進国で生活すれば年を取ってから優れた医療を受けられるから
普通よりも長生きできるというのはあるかもしれないが、
それで平均寿命が30歳代から80歳代まで引き上がるとは考えにくい。
私たちは常に統計の数字に振り回される危険がある。
全て完璧にとは決して言えないけれど、
不思議に思ったら少し調べてみてもいいのかもしれない。
と言いながら、このコラムはほとんど思いつきで無責任に書いているだけで、
しばしば「不正確だ!」とお叱りを受けるのだから偉そうなことはいえないが・・・。