塩梅
塩梅って言葉を最近ではあまり聞かなくなりました。
でも、実際に料理をしていると塩の重要性って分かりますよね。
塩が足りないと決定的にマズくなる。
だから、塩をたくさん入れなければならないけれど、
入れ過ぎたらもちろん塩辛くなる。
で、魔法の粉末「化学調味料」の出番って訳です
グルタミン酸は、その機序は知りませんが、
塩味を感じにくくさせるようで、
たとえば塩辛くなった炒め物なんかに少し振りかけると
まったく塩辛さを感じなくなります。
だから、塩をかなり多めに入れた上から化学調味料を入れることで
比較的おいしい料理ができるってことになります。
もちろん程度問題ではありますが。
で、本職の料理人の腕とは
この塩梅の見極めってところにあるのでしょう。
特に和食では、これ以上塩を減らしたらマズくて食えないって限界を見極める、
これが職人の腕の見せ所ではないかと思います。
で、西洋料理にも同様の傾向が見られます。
しかし、個人的には、特にイタリア料理なんかには
バシッと強烈に味がついていて欲しいと思っています。
日本料理が「これ以上薄ければ食えない」のなら、
イタ飯は「これ以上濃ければ食えない」限界を見極めるのが
職人の腕なのではないかって思うのです。
京都で友人がイタ飯屋をやっていました。
そこは暴力的なくらいに旨味が口に飛び込む。
もう、これ以上濃かったら無理だという限界ギリギリのうまみです。
個人的には私が知るイタ飯屋では一番美味かった。
店を閉めてしまったのでもう食することはできませんが、
あんな店をまた探したいと思っています。
だから、食べた方にはご理解いただけるでしょうが、
私の作る食事は味が濃いのですよ。