こんにちは

学生の頃、休みの日の昼頃に研究室に行くのが少しだけ苦痛でした。

いや、苦痛というほどの話ではないのですが、

「こんにちは」と先生に言うのがなんだかできなかったのです。

朝は「お早うございます」といえば先生は「おはよう」と返してくれますし、

帰る時は「お先に失礼します」で済みます。

学生である私が、尊敬すべき対象である先生に対して敬意を表することは、

あまりに単純すぎる発想かも知れませんが、

こちらと先生の間で使う言葉に差がなければ落ち着かないってことで、

要するに、こんにちはだけが敬語(あるいは謙譲語)が見当たらないのです。

私が「こんにちは」といえば、先生も「こんにちは」と返す。

このやり取りが落ち着かなかったわけです。

普通の人はこんなことを考えたりしないのだろうなあと思いつつも

私にはすごく不自然なやり取りに感じられ、

その日始めて先生に出会うのが昼間の時間帯であることを好まなかったということです。

たぶん、こういう考え方って変なのだろうな。