や〜まだ
マンガ「ドカベン」の主人公である山田太郎のことを
岩城が「や〜まだ」と呼ぶのはご存知でしょうか?
アニメにもなったので声優の台詞としてご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、
いかんせん、かなり古いマンガなので最近の方々には馴染みがない可能性はあります。
さて、大学に入った当初、入学式よりも前に知り合った先輩がスポーツ好きで、
毎日のジョギングや公共のトレーニング室通いから始まり、
あげくの果てに初マラソン3時間台ということを平気でやってのける人でした。
その人に誘われてトレーニング室に通っていた頃の話です。
いまのようなマシンなどはあるはずも無く、
ただバーベルや鉄アレイが並ぶ汗臭い狭い部屋であるトレーニング室には
常連さんが数名いらっしゃいました。
その中で、お一人気さくなマッチョマンがいらっしゃったのですが、
皆さんその方のことを親愛の気持ちを混めて「うえ〜だ」と呼んでいらっしゃいました。
呼びかけの声だけでなく日常会話においても「うえ〜だ」と呼ばれており、
でも、ピカピカの一年生だった私は「うえ〜ださん」と呼べるはずも無く、
かと言ってすべての皆さんが「うえ〜だ」と呼んでいる中で「上田さん」と呼ぶ勇気もなく、
ただひたすら名前を呼ばないで済む会話を心がけていました。
ある時に、その人の名前が書かれたものをみました。
聴覚言語ではなく視覚言語でその人の名前を認識したのです(この表現はなんか違うが)。
青空に雷とはまさにこのことでした。
なんと「上枝」さんだったのです。
「うええだ」・・・さん・・・・。
決して「上田さん」を親愛の情を込めて「うえ〜だ」と伸ばしていたのではなかった。
これに気付いたのが出会ってから3年が経過した頃。
いやあ、過去の記憶を一気に巡り、
どこかで大失敗をしていないかのチェックをするために
過去に無いくらいの速度で脳が動いていました。
結局、いくつかの赤面する場面を思い出したのですが、
その時にはどうすることもできず、ひとりで苦笑いするだけでした。
似たような失敗を他にもやっているのだろうな、気付いていないだけで・・・。