葬式

葬式に関して「へえ」って思う考え方を聞いた。

経験のある方もいらっしゃるだろうが、

日本の葬式はとにかくたくさんすることがあり

それも、葬式という性格上、予定を組んでおくこともできず、

ただただ、ある瞬間から短い時間のうちにすべきことが山のようにある。

おそらく、いま何が起こっているのかを考える余裕もなく、

流されるままに忙しく動き回らなくてはならない。

 

で、この忙しさに意味があるというのだ。

はっきり言って、この忙しさの中で故人を偲ぶ精神的時間的な余裕はない。

バタバタ動き回って一日が終わる。

そして、この嵐が過ぎ去った時にようやく親しい人の死をゆっくり受け入れる。

これが大切だということらしい。

だから、残された人のことを気遣ってあらゆることを周囲が助けるというのは、

結局、いきなり訪れた寂しさや悲しさを真正面から受け止めることとなり、

それは実は残された人の為にはならないといことである。

 

理屈として、その目的で忙しい行事(?)があるのかどうかは分からないが、

日本で葬式関連の物事を一人で片付けるとすれば、

実際問題として故人を偲ぶ時間はとれないこととなる。

その人の宗教観や人生観などとも関わるのだろうが、

これはこれで悪くはないなあと変に納得してしまった。

何にしても、違った見方をすれば新しい視界が広がるものですね。