酒は百薬の長

適度な放射線はむしろ健康に良いという話を先日書いた。

これに関しての科学的根拠がどれだけ分かっているのか不明だが、

何となくこんなところだろうと感じることはある。

 

ずっと以前に、幼少期に泥んこになって遊び

雑菌やウイルス、あるいはその他の自然に肌で触れることは良いと書いた。

実際にアトピーなどのアレルギーにならない為の指針としてもこれは言われている。

もちろん、これだけが要因ではなく、

アレルギー疾患にはさまざまな原因があるのは理解している。

何が言いたかったのかといえば、

人間が昔から暮らしている環境で昔通りに生活することが身体に良いということであり、

除菌や殺菌消毒などを過度に行なった無菌環境を作ることは、

身体にとっては不自然極まることだということなのだ。

この時によく言われることは、

結局はある程度は細菌やウイルスなどにさらされておくことが、

身体にとって重要な抵抗力をつけるということであり、

正常な免疫反応を構築することであるということだろう。

 

さて、放射線障害についてだが、

放射線障害の機構は、細胞内にラジカルを作ることに他ならない。

そのラジカルがときにDNAを傷付け、遺伝子に突然変異を誘発する。

だから、放射線の影響は「蓄積的」であるという。

しかし、一方で自然環境よりも優位に高い放射線を受け続ける方が

自然環境下で生活するよりも発ガン率が低いことも事実として知られている。

これは欧米や日本の放射線障害の研究から明確な事実として分かっていることだ。

その理由として、一定量の放射線を浴び続けることにより、

細胞内でのラジカルの除去やDNAの修復機構が活性化される為だと考えていいかもしれない。

過度な放射線が有害なのは分かっている。

ただ、これらのデータからみても放射線に対する過剰な反応は

逆の意味で有害であることもたしかなように感じる。

 

 

実はラジカルというものは食事をとっても運動をしても生じるのだ。

生命活動をすることによってラジカルは否応無しに生じる。

なにも放射線を浴びたからという問題ではない。

 

昔から酒は百薬の長といわれる。

適度な飲酒は健康に良いことだとされる。

しかし、ご存知の通りアルコールは生物にとって猛毒である。

ラジカルが毒だからと言って食事をとらないなんてあり得ない。

ラジカルが発生する運動は、むしろ身体に良いということはもはや常識だろう。

雑菌のいない環境、毒に触れない環境、

それは人間にとっては異常な環境だということなのだろうと思う。