消費税について
以前にも消費税について書いたhttps://hashimochi.com/archives/1563。
最近、再び消費税の議論が高まっていそうなので
あの時に書かなかったことについて書いてみる。
正確な情報が手元にないのだが、たしか一作年度あたりの統計によると
国税の滞納総額の半分を超える額が消費税だということであろう。
原因はいろいろとあるだろうが、
消費税は、納税者が直接国家に支払うものではない。
例えば小売店などがいったん懐に入れてから
それを年に一度納税するものである。
消費税導入の時に「便乗値上げ」が叫ばれたが、
消費税分5%がそのまま小売店のもうけになっているとすれば
それは便乗値上げという議論では済まされない。
これから税率を10%、あるいはそれ以上に上げるという話が出ているのだが、
そのまえに考えるべきことがあるのではないかと思えて仕方ない。
消費税とは異なるが、ついでに同様(?)のことを書く。
家電リサイクル法だったか?が施行される前に
中古家電を回収する際の手数料を販売価格に乗せるか
それとも回収の際に支払うのかについて議論があったように記憶している。
その時に私は、最初から手数料を取っておかないと大変なことになると感じた。
当然のことだが、人は預かっているものを返さずに済むならば返したくないだろうし、
払わなくても済むのなら払いたくないと考えるはずである。
だから、いったん懐に入った消費税をみすみす返してなるものかという発想になるし、
家電なら不法投棄して廃棄手数料を浮かそうと考えるのは
悲しいけれど人の性だろうと思う。
そんなことは私でも分かっていたのだから、
国会議員の先生方が分からないはずがない。
そこで、どうしてもイヤラシい見方をしてしまう。
販売価格に回収手数料が上乗せされたら見かけ上の販売価格が上がる。
すると家電が売れないとメーカーや販売店は危惧する事は想像に難くない。
すると、政治家に圧力がかかる可能性は多々あるし、
そのおかげで、結果として回収手数料は上乗せを免れ
不法投棄の問題が深刻化するという、
なんか「風が吹けば・・・」にも似た展開を妄想してしまう。
基本的には性善説を持って暮らしたいものだ。
ただ、制度設計には考えうる最悪のことを想定して行なわなければならない。
ここではあえて性悪説の立場を取らなければならないのである。
それが危機管理というものであろうhttps://hashimochi.com/archives/2357。