マートン
マートンがイチローの日本記録を破ったときにイチローが発した言葉が新聞に載っていた。
「マートンは、マイナーとメジャーを行ったり来たりしていた程度の選手、
そんなヤツが200本以上もヒットを打てるのだからメジャーをなめてはいけない」
と言う趣旨の発現だった。
話し方や表情によってその言葉の意味は変わるので
このまま額面通り受け取ってはいけないのかもしれないが、
どうもこの言葉には抵抗を感じる。
何に抵抗があるかと言えば
まずは野球というものをひとつの物差しで論じている点である。
よく言われるが日本の野球とアメリカの野球は質が違うそうである。
であれば、向き不向きというのは必ずあるはずだ。
日本に鳴り物入りでやってきた現役メジャーリーガーと称する人たちが
まったく活躍できずに帰って行ったという例もあるし、
日本ではそれほどすごい選手とも思えなかった人が
アメリカではそこそこ活躍しているというのもある。
抵抗があるもう一つの点は、
これは上にあげた自分の例を否定する事にもなるのだが、
一人の選手を例に、日本とアメリカのレベルを議論することの愚である。
そんなことを言い出したら、マートンが今年もメジャーに残っていたら
イチローを超えるヒットを打ったかもしれない。
彼はまだ若いから、それくらいの成長をする事は否定はできない。
個別の例を一般論化するほど愚かな事はない。
なぜイチローほどの確立した人間が
このようなレベルのことを言うのだろうか?
伝わり方に問題があったのかもしれないし、
真意は別のところにあったのかもしれないけれど
記事を額面通り受け取ることは到底許容できない。
似たような話は以前にも書いた事があるが、
https://hashimochi.com/archives/1110
彼はやはりそういう方向に物事を見る傾向があるのだろうか???