サマースクール終わりました
先週の木金とサマースクールを行ないました。
毎年、二日間(正味一日ですが)一般の方を研究室に招いて
実験を経験して頂くという企画です。
私の研究は発生学という分野ですので
実験操作から結果までに時間がかかりますから
今までは発生とはまったく毛色の異なる実験をして頂きました。
具体的にはDNAを制限酵素で切って物理地図を作ろうとか、
DNAを大腸菌から精製しようだとか言うものです。
今年もその気分でいたのですが、
何となく発生をやってもらいたいと思うようになり
カエルの受精卵にRNAを注射してもらうという試みを行ないました。
直径1ミリくらいの受精卵の限られた場所に注射するという事で、
注射針も自分で作らねばなりませんし、
その注射針の条件を決めるのも自分でやらなければなりません。
なぜなら市販の注射器のようにメモリなどついていないからです。
実際に市販の注射器ならせいぜい0.1mlが測れる限界でしょうが
それでは卵にとっては巨大すぎるのです。
nl(ナノリットル)という単位を測れなければなりません。
苦労して針を作ったら次は実際に注射です。
これも顕微鏡を覗きながらの操作で、
慣れるまではなかなか苦労します。
ただ、一心不乱に卵と格闘する姿はとても心地よく
このテーマに変えて良かったと感じました。
来年はシュペーマンの行なった移植実験でもしてもらおうかと
かなりまじめに考えております。
何にしても楽しい時間でした。