鬱病
先日、面白い記事を見かけた。
近年の鬱患者の増加に関する記事である。
その記事によれば、ある製薬会社が鬱病に効く薬を開発したのがきっかけらしい。
その会社は薬を売る為のキャンペーンを張ったそうだ。
すなわち、「鬱は心の風邪」「薬で治る」などなど。
そこから、医師を通じて一般的にもこの流れが浸透していった。
今では有名な「ガンバレと言ってはならない」もその一つである。
そして、これらは決して間違っていないのであるが、
記事が注目する問題点は、
この点が大きく(過大に)広まり過ぎた結果として、
逆に励ましてやらなければならない「一時的な気持ちの落ち込み」や
叱咤する方が良い「気持ちの揺れ動き」まで鬱と見なされ、
周囲が適切な声をかけられなくなったというところである。
また、心の病は血液検査やレントゲン画像などの客観的な診断が難しいそうだ。
だから、とにかく鬱っぽい事を患者が話していれば鬱と診断される事もあるらしい。
これが、近年の「鬱患者の増加」の一員であると記事は伝えている。
私たちは、近年のストレス社会が鬱患者を増加させてきたと考えて来たが、
実際にはそうではなかったのかもしれない。
私たちが普通に「科学的真理」だと思っていることにも
コマーシャルのキャンペーンが根深く関わっている事に興味を感じる一方で
言葉にならない恐ろしさすらも同時に感じてしまう。
医師の言う事にも、たとえば製薬会社の営業からの受け売りもあるであろう。
それを話す医師自身が、受け売りを話している自覚すらないままに
いやむしろ「最新の医学的知見」として自信を持って話しているのかもしれないが、
そこにも潜在的な誘導が存在するという事実は実におもしろい。
サンタクロースも、数十年前のコカコーラ社のキャンペーンから
赤装束で白いひげをたくわえてしまったそうだ。
今ではこれ以外の容姿ではサンタクロースとは認めてもらえないだろう。
ゴルゴ13などを読むと、政治的にも報道やCMが利用されていると書かれている。
もちろんマンガの上の話なので「よくできた物語だなあ」と思っていたのだが、
実際に政治の裏ではこのような事が意図的に行なわれているのかもしれない。
私たちは自分の意見を自分自身で決めていると信じているのだが、
もしかしたら大きな何かに操られているのだろうか・・・・?
おもしろがっていてはいけないのかも知れませんね。