映画

昨日の仕事帰りに高槻で先週公開のとある潜水艦の邦画を見て来ました。

感想としては、まあまあこれはこれでアリなんだろうなってくらいです。

ストーリーは全体として良かったと思います。

しかし、一つ一つのシーンを見るとなんか首を傾げたくなる。

「眼下の敵」と「Uボート」で見られたシーンのつぎはぎにしか見えないし

なんと言っても潜水艦の乗組員がきれいすぎる。

容姿だけではなく、言動も立ち居振る舞いも何もかも美しすぎるのだ。

何日間何週間も汗まみれになり海水をかぶっても風呂に入れず、

狭い潜水艦の艦内を想像しただけでそのニオイは気絶するくらいだろう。

食料だってカビだらけになるだろうし、

男同士が狭いところに押し込められたらもっとギスギスすることだってあるだろう。

もっともっと見た目にも生活自体が悲惨なはずだと思う。

そんな中での戦闘であり頭脳戦であるはずだ。

感傷的なシーンなど極限の世界ではたしてどれだけあるのだろうか?

高潔な思考ってのはあるだろう。

どんな悲惨な環境におかれても非凡な高貴さを見せる人もいることだろう。

ただそれをあのように描いてはいけないと感じる。

考え方・感情・ニオイ・雰囲気を映像化するのはとてつもなく難しいとは思うが

それにしても、いつもいつも何もかもがきれいすぎるのが、

本筋とは離れてものすごく違和感がある。

だって、己の命をかけた状況なんでしょう?

自分の愛する祖国を、愛する人々を守る為におかれた

限界を超えた状況なんでしょう?

これを安物の小説のように表面的に描いているから

息詰まる艦内の様子が心に落ちて来ない。

言い出したらきりがないのでこれ以上は何も言わないが・・・。

(それにしてもアメリカ人俳優があまりにヘタ・・・もう少し何とかならなかったのだろうか?)

 

私は人間性のせめぎ合い、息詰まる攻防、決断に至る葛藤などを期待していたので

特にこう感じてしまうのだろうが、

あの程度の時間で潜水艦と駆逐艦の行き詰まる攻防を描くなら

いっそのこと恋愛は無しにしないとどっち付かずになるだろうし

もう少し何とかなったのではないか?ってもったいなく思った。

 

ただ、俳優の演技はよかったとおもう。

個人的には脚本と演出の問題につきると感じられてならない。

それに、おそらく違う見方も十分にあると思うし、

作品としては十分に及第点をとっていると感じる。

私の期待の仕方が普通の人とは異なっていたのは間違いないだろうし、

いままでに「眼下の敵」や「Uボート」などの

潜水艦の映画を見たことのない方には新鮮に映るかもしれないので、

どうぞ皆さん、この文章に惑わされることなく見に行ってください。

ちなみに、29・30日は高槻ロコ9は1000円です。