減量3
これまた過去に書いた話で恐縮だが、実際にリバウンドを経験したことがある。
大学生の頃だった。二十歳くらいまでの私は、一切汗をかかず食べても体重が増えなかった。運動をしていたので体重が欲しかったのだが、いくら食べても太らなかった。お酒を飲んでも顔が赤くなることはなく(年齢と飲酒については深く掘り下げないでください)、悪酔いした時には急に顔が青くなって吐いた。だから、今よりも身長は5センチほど高く(身長は縮みます!高校の身体検査では176センチ後半か177センチはありましたが、今は172センチあるかないか・・・)、体重は15キロ以上軽かった。
大学生の頃、短時間の暴飲暴食で急性胃炎になった。かかった町医者が古典的な考え(決して間違ってはいないのだろうが)の持ち主で、「胃が傷ついているのだから食べ物で傷口を擦ってはならない。よって、断食を命ずる!」と言われた。その日から丸一週間、お茶だけを飲んで過ごした。いま思えば「点滴で栄養など入れてくれてもよかったのに」なのだが、胃薬以外はお茶しか口にしなかった。一週間後、ようやく食事の許可をいただいたが、それも重湯である。重湯が三日、三分粥が三日、五分粥がさらに三日つづいた。普通のお粥を食べられるようになったのは断食を始めてから二十日後くらいだった。いや、実際には急性胃炎に罹ってからは激痛が走るので食べることもできないし、胃の検査の前は絶食なので、おそらくは結果的に完全断食の期間が十日以上はあったと思う。まあ、何にしても一気に痩せた。何も食べていないのだから当然だ。学友は私の痩せ方をみて「主税は死ぬ」と思っていたらしい。
結果的に胃は治った。そこからである。食べた分だけ体重は増えた。汗もかくようになった。顔も赤くなるようになった。断食前の体重を一気に超えて太っていった。私は食べても太らない体質だったから何も考えず普通に食べていたのだが、それと同じことをしたら体重は増え続けた。医者から言われたのは、「これまで腸の働きが良くなかったから食べても吸収できなかったのだが、断食によって腸の働きが良くなって食べた分をすべて吸収できるようになったのだろう」だ。真偽の程は定かではない。ただ、「これが世に言うリバウンドかあ」と思った。思い出話を長々と書いてみたが、言いたいことはこれだけのこと。いやあ、申し訳ない。