七味

ちなみに私は自分で七味を合わせる。個人的には自分で合わせたものが(一番とは言わないが)美味しいと思っている。こだわっているのは本当の山椒の粉と青のりである。山椒も青のりも香りが命なので本物にこだわりたいのだが、なかなかの値段がする。他には友人の阿草農園さんのみかんの皮で作った陳皮とか柚子の皮とかの香りもほんのり利かせる。胡麻の香りもあれば素晴らしいが、これも本当に香り高い胡麻でなければダメだ。

七味の面白いところは全体のバランスがものを言うところだろう。というと、「そんなん当たり前やん」と思われるだろうが、実際に材料を合わせるとものすごくジレンマに襲われる。香りのものをたくさん入れようとすると絡みが弱くなる。かと言って唐辛子を加えたら全体の中での香りのものの比率が下がる。以前、辛味の強い外国産の唐辛子の粉を試しに入れてみた。これが全然ダメだった。やってみて気づいたのは、あまりに当然の事実だが唐辛子にも味がある。というか、辛味よりも味の方が大切だと思うくらいに日本産唐辛子(鷹の爪)の味わいが七味には大切だった。それから、うちではプランターで唐辛子を作っている。