脳 おまけ

とまあ、いろいろと書き連ねてきたけれど、これらはすべて、生まれた時にすべての神経ネットワークが脳内に形成されているということと、すべての能力は、それら脳内のネットワークが妨げている領域を、あるネットワークを欠損させることによって生かすことで生じるとの文脈で書かれている。

さて、当然ながら、生後あらたに構築される神経ネットワークはある。年を取ってもあらためて獲得する能力もある。だから、生まれた時にすべてのネットワークが存在して、そこから関係性を減らすだけで、新たに何かを構築することはないということはありあえない。ただし、ものごとの根源に変わる話は別とすれば、失った機能をなんとか補おうとする脳の働きはありうる話だし、そうではなく、小さなレベルで脳が老化をとどめることは十分にあり得る。訓練によって新しい知見(機能)を獲得することだって研究で示されている。

問題は、そういう目先の行動の話ではなく、本質的な脳の働きを保証する根本的な仕組みは生まれた時に形成されていて、それは新たに確立した神経ネットワークではなく、生まれながらに持っているありとあらゆるネットワークの中で、必要なネットワーク以外を無くするという方法をとっていると考える方が良いのではないか?というだけの話である。「大人になって新たに何かを習得することはない!」とはまったく考えていない。