普通に考えて・・・

この話は、もう嫌だ嫌だと言いながらずっと気になり続けているので、目に入ってきたものを読んで(見て)しまう。

公益通報だと認められなかった理由として、誹謗中傷が多い文章だったから、そして居酒屋での噂話程度の情報で信用性が低いからと、県の弁護士や知事ご自身もいう。

これらについて素朴な疑問がある(この件に関しては素朴な疑問って数限りなくある)。

まず第一点。誹謗中傷って完全にみる人の立場によって変わる感覚だろう。単純に、理論的な指摘であっても、自分が否定されている内容なら、否定された人には誹謗中傷と捉えられる。だから、当事者が判断してはいけないのだ。利害関係のない第三者、それも複数の人の目で見て誹謗中傷性があるのか公益性があるのかを判断しないと問題だ。この点については何度も議論されている。

問題は二点目、これは今のところ今から申し上げる議論を見聞きしたことがないので、あえて書く。「居酒屋での噂話」が信頼できるかどうかについては法律家によっても意見が違っているようなので、これは構わない。問題は時系列だ。公益通報者保護法によると、「告発者探しをしてはならない」とある。2020年と2022年の法律改正で、真実相当性の有無に限らず告発者探しをしてはならないとなったので、そもそも告発者を探すこと自体が法律違反らしいのだが、それ以前の疑問で、知事と県の弁護士は「居酒屋の噂話」だから真実相当性に欠け、公益通報には当たらないと明確に言っている。しかし、「居酒屋の噂話」は告発者を特定し、告発者を尋問したときに、告発者から聞き出した話である(この点に関しても、告発者自身は「居酒屋での噂話であるとの発言は一切していない」としているのだが、その証拠を知事側は提出していない)。ちょっとまってほしい、公益通報者に当たらないから告発者を探したことに問題はないといる理屈なのだが、公益通報者だと認められない理由が告発者が発した「居酒屋の噂話」という証言だと知事や弁護士、元副知事は言っている。論理展開がおかしくないか?ある次点での判断の根拠となる事実が、その時点より時系列として後に出てくるわけで、判断を下した次点ではその根拠はどこにも存在していないはずだ。この議論がされていないと思う。少なくとも私の目や耳に入ることはこれまでになかった。百条委員会でも指摘されたという報道は耳にしていない。なぜだろう?