レクチャーのやり方について

1月に行なったレクチャーの際にも申し上げたことである。
それ以前に昨年くらいから自分自身で限界を感じていたことでもある。
このブログでも何度となく書いて来たことである。
再度書いてしまうが、話をさせて頂く時間が短すぎる。

かたちを議論するやり方は様々であろう。
私はソシュールに端を発する構造論を基礎にして議論を進めている。
構造論とは耳慣れない言葉である。
初めて聞くとよく理解できない言葉でもある。
内容も、おそらく難しくはないのであるが
自分のものとして咀嚼するには時間がかかる。
だから、まず初めに私の考える「かたち」についてお話しする。
これに最低でも一回分の講義時間(90分)を要する。
次に、意味とは何か?時間とは何か?などについて考える。
言葉というものについても考える。
そして、これらを踏まえてゲノムとは何か?
生きもののかたちをどう考えるのか?について
考察を深めるのである。

レクチャーの当初はよかった。
かたちの話をするだけで済むのだから。
しかし、意味の話をする時になって困り始めて来た。
かたちの議論を飛ばして意味の話をするのは
表面上は出来ないことも無いし実際にやって来たのだが、
個人的にはきわめて不完全燃焼であった。
そして今年のゲノムの話になると
もはや、お聞きになっているほとんどの方が
本当に私が伝えたいことを理解していないのだろうと感じた。
考え方の基本となる哲学をお話ししていないのだからそれは仕方ない。

ここで、いっそのこと短期集中でレクチャーを開催するしか無いと
考えるようになって来た。
一日中、午前午後とぶっ通しでレクチャーをするとか
あるいは毎週一回、一ヶ月間レクチャーをするとかである。
一気にする方が時間的には都合をつけやすいかもしれない。
でも、一回ずつレクチャーのあとに時間を置くのも
内容の理解のためには大切なことでもあろう。
一週間考えてきて、その内容を一度全員で話し合うことによって
それぞれの理解がいかに異なるかを体験できるし
あるいはそこから新しい考えが産まれるかもしれない。

そういうことを試みてみたい。
できればある程度人数を絞って
お茶でも飲みながら話し合う場を設けたいと思う。
でも具体的にどうすればいいのか?
これが分からないのである。

雑談形式の方が面白いとも思う。
毎回話題提供者を変えて議論するのも面白そうだ。
やはり、私がかたち論の考え方を話すべきかもしれない。
何にしても、一方通行にならないように
随時、質疑応答などをはさみ、
できればそこから皆で議論できれば楽しいだろう。
話の方向がずれたって構わないと感じる。
いろいろと思うことはあるのだが
どうしたらいいのかまとまらない。

一応、お話しさせて頂いている時には
拙文を配らせて頂いている。
だから、このブログの存在はある程度知られているとは思うのだが
ここで呼びかけをして果たして周知できるのであろうか?

もしご意見がある方は、掲示板にでもお書き頂けたら幸いである。
よろしくお願いいたします。