プロダクトアウト 2/3
橋本は昔から料理が好きで、「宝くじが当たったら研究を辞めてすぐにでも店を始める」と言い続けてきました。ただ、性格的に「最悪を想定する」ので、橋本程度が始める店で儲けられるとも思っていない。だから、プロダクトアウト・マーケットインのことはものすごく考えてきたし、この話題ならまだまだいくらでも書くことはできますが、いま書きたいのはこれではありません。
先日来書いている「来年以降にやりたいこと」の話です。橋本は「石橋を叩いて壊す」性格です。心優しい人は「慎重ですね」と言ってくださいますが、個人的にはただ臆病なだけだと思っています。「最悪を想定すること=危機管理」と言って仕舞えば格好良いのかも知れませんが、いつも悪い方ばかりを想定して、それに対応することを考えています。まあ、自信がないのは間違いないと思います。
もう一つ、橋本の性格的な特徴に「とにかく理屈で考える」があります。世の中、理屈で動かないことだらけですが、橋本は理屈でしか思考できません。これが大きな欠点なのですが、60年間もこの性格で生きてきましたので、今更変えることは無理でしょう。たとえば「考える会」についてもいろいろと理屈で考えています。「ここでこのデータをお見せし、次にこういう図を見せて少し考えてもらったら、こんな感じの意見が出てくるだろう」みたいなシミュレーションはいつもしています。もちろん理屈は一通りではありませんから、あらゆるパターンを、参加される先生方が「どう考えるのだろう?」ってところに立って妄想します。趣味で作問する時も、仮想高校生を念頭において「その子がこの問題をどういうふうに考えるだろうか?」と妄想します。このヒントはどこに隠しておけば良い感じに難しい問題にできるだろう?というのも作問者の立場というよりは仮想高校生の立場で考えます。
としても考えているのは橋本なので、どうしても橋本の持っている物差しの上から逸脱した思考にはなりません。そういうこともわかっているので、自分では「これが正しい」という判断をしたものであっても、他の人にとって意味があるかどうかの点に不安を覚えるのです。まあ面倒な性格ですね。だから、橋本にはプロダクトアウトの思想は絶対に生まれませんし、考え方の基本はマーケットインだと言ってもあながち間違いではないと思っています。ただ、マーケットイン的な思考をかなり悲観的に捉える傾向が強いので、結果的には「理論的にはこれで間違っていないのだけれど・・・」と考えるもののそこから前に動かないこととなります。
(つづきます)