脊椎動物の発生はどのように共通なのか?
先月から今月の頭にかけていろいろと研究者を回っては議論をしてきました。
首都大学で福田公子(トリ)西駕秀俊・高鳥直士(ホヤ)、
基生研で藤森俊彦(哺乳類)、理研CDBでは相澤慎一(哺乳類・爬虫類)、
川崎医療福祉大で竹内雅貴(ポリプテルス)。
来月には浅虫臨海で熊野岳・美濃川拓哉と棘皮動物から原索動物の議論をしてきます。
ここまでの結論ですが、原腸形成運動は脊椎動物でおそらく完全に保存されていること、
原腸形成運動と一般に呼ばれている動きはさまざまな素過程の混じった動きの総称で、
研究者により、あるいは扱っている動物によって解釈が異なること、
だから、丁寧に概念の脱構築が必要であることなどがわかってきたように思います。
福田さんと藤森さんには無理を言ってトリと哺乳類でモデルの検証をしてもらいます。
何の検証かと言えば、両生類モデルが仮にすべての脊椎動物に当てはめられるとした場合、
たとえばトリの発生過程では教科書とは異なる動きがなければならないこととなる。
これがいわゆる「作業仮説」というヤツです。
この「仮説」が本当か?という検証です。
たぶん教科書が間違えている(あれ、どこかで聞いたような言葉だが・・・・)。
それを確かめてから総説(あるいは総説のような原著論文)を公表したい。
そういう流れです。