卵黄・発生拘束、そしてカンブリア爆発
脊索動物の形づくりに関して卵黄の影響が重要であろうと考えている。
卵黄の獲得、それに伴う形態の変化、
その形態変化と発生過程がどのように脊椎動物の進化に関わったのか?
この、たとえば卵黄を少しずつ増やしていくような場合に、
ゲノムにほとんど変化が起こらないでも形づくりの変化が可能なんじゃないかってことである。
逆の言い方をすれば、ゲノムにどのような変化が生じても、
形づくりの過程を満足させなければその変化は残り得ないということであり、
これを発生の拘束として形の進化に重要な影響があると考えるってことである。
このような発生拘束を考えると、
動物門の中で綱レベルの変化(進化)はある程度説明可能ではないかとは思うのだが、
門を越える変化(進化)を考えに入れると途端に思考が止まる。
最近では、門の中の変化と門の間の変化の説明は異ならなければならないのではないかとすら思う。
ダーウィンの説明は、すべての生物の起源はひとつということであり、
そこから段階を踏んで自然淘汰を受け進化が起こってきたということだろう。
この説明は大きな意味では完全に受け入れられる。
でも、動物門の出現は実は段階的ではなく、
何らかの原因で一気に起こったのではないのか?
だから、枝分かれに描かれている系統樹は
系統進化を表現しているのではなく、
その形態の類似性の度合いを見ているに過ぎないのではないのか?ってことである。
ちょっと説明が難しいのだが、
遺伝子の時間的空間的な並びの変化でまったく異なる形態を作ることは可能であり、
まあこれはプロモーターの微妙な変異により
発生のどの時期にどの場所で働くのかが微妙に異なることで
大幅なかたちの変化は可能ではないかということである。
まあ、こういうことをいろいろと考えているのだが、
このレベルなってくると言語での表現の限界を感じる。
話すときにでもかなりたくさんの絵を描きながら説明しないとなかなか難しい。
これが、最近のこの欄での発信が大幅に減った理由の大きなものだろう。
まあ、もうひとつの理由は、この手の議論には体力が必要で、
精神的にも肉体的にもこの体力が充実しないのだ。
で、タイトルのカンブリア爆発はわかりますよね?