「かたちまつり3」まであと10日

種が異なる以上は発生過程が違っていてもおかしくない。

でも、同じ種なら同じ発生過程をたどるはずである。

同様に、同じ綱に属する以上はどこかに共通性が無ければならないし、

同じ門に属する以上はどこかに普遍的な発生過程が見いだされるはずだと思う。

 

私たちは両生類の原腸形成過程を説明する新しいモデルを提唱している。

そのモデルを考えている時に、ふと「ホヤに似ている」と感じた。

調べてみるとナメクジウオの原腸形成過程にもそっくりだ。

もし、これが本質的な相同性であるならサカナにも同様の共通性が見えるだろうし、

それが脊索動物門に共通するのであれば羊膜類にも似たような仕組みが成立しているだろう。

 

このような視点から、脊索動物の初期発生を見ている研究者にお集まりいただいて

「ああでもない、こうでもない」とぐちゃぐちゃ会話をしながら

何か新しい視点が開けたらラッキーとばかりに企画してしまった。

言い出しっぺなので、両生類のモデルを初めに紹介し、

その他の動物綱との比較から似ていると思える点をいくつかご紹介する。

その後にホヤ・サカナ・トリ・マウスの専門家に加わっていただき

いろんな視点から議論を煮詰めていこうと思っている。

両生類ではなく他の動物を中心に話題を広げても構わないのだが、

どこかに支点を置かなければ話は始まらないし、

まあ、主催者がたまたま私なので両生類から展開させることとしただけのこと。

話の流れでは両生類などそっちのけでトリとサカナの話が盛り上がるかもしれないが、

それはそれで面白いだろう。

 

この集まりは真面目に面白いと思う。

でも、さすがに当日の議論の行方までは見えないので大失敗の可能性もはらんでいる。

まあ、結論は出なくても様々な論点は湧き出てくるはずである。

それを拾い上げられるだけでも有意義だと感じる。

 

科学的な正確性よりも、妄想に近い戯言を繰り広げたい。

中途半端な拘束をかけるよりは

自由な発想で議論が展開する方が新たな可能性が見えてきそうに思う。

会場にも聴衆として専門の研究者が来て下さるそうだから

その方々も巻き込んで面白い話をでっち上げてみよう。

 

10月12日午後1時開始。

いまからワクワクしてしまう。

皆さんもお楽しみに。