森口さ〜ん

いいキャラだったのにどこへ行っちゃったんでしょね?

ところで、彼のこれまでの業績を丁寧に(執拗に?)検証しているサイトがあって、

そこを見るとなかなか面白いんです。

彼がこれまでに公表した論文(?)を見て、

ゲルの写真のバンドがコピペであることを証明したりしています。

これはまあ近年よくみる捏造なのでもう慣れっこになってしまい

それほど驚きはなかったのですが、

これ以外の写真に「エー」と個人的に驚くものがありました。

彼はiPS以外にもいろいろとやっているようで、

たとえばヒトの卵の凍結保存法とか研究していたようです。

で、その卵や卵母細胞の写真が、なんと、他のサイトから引っ張ってきたようなのです。

別サイトから引用された写真は森口氏の論文の写真とまったく同じでした

(似ているというレベルではなく正真正銘同一のものです)。

それも、どこぞの産婦人科医院のホームページとかの写真で

ネット検索したらかなり最初にヒットするレベルのものだそうです。

 

で、ここでも私は不思議に思うのですが、

まあこれはバンドのコピペのときも同じことを思いましたが、

こんな捏造をするのであれば写真レベルでバレるようなことをせず、

目的のデータになるように電気泳動をすればいいし、

卵や卵母細胞の写真くらい自分で撮れば良いと思うのです。

それが、凍結されていなくたっていいじゃないですか。

東大病院のどこかに行ったら卵や卵母細胞くらい写真に撮れるだろうと思うのですよ。

 

それから、これは本質的な話だろうと思いますが、

このようなネット社会になったからこそこのような捏造ができたわけですが、

逆にネット社会だからこそこのようにバレることとなった。

昔なら、どこかの雑誌の写真を接写して使い回しても、

その元の写真の載った雑誌はおそらく数ヶ月もしたら手に入らなくなるだろうし、

そうすれば捏造(パクリ)自体がバレることもないだろうってことです。

 

まあ、何にしても有名科学誌に投稿したということは、

世界中のかなりの数の研究者が目を通すということと同義であり、

ということは、元の写真を撮った人間が見る可能性も高いと見るべきで、

それを恐れなかったのか?という疑問はどうしても私には残ります。

こんなに分かりやすい捏造ってどんな精神状況になればできるのか?

 

歴史的に見て、追試のできない論文はいろいろとありますし、

捏造が明らかなものもたくさんあります。

しかし、それは「こうなるだろう」と考えてデータを作った場合が多く、

その時の科学の常識が実は間違えていた時に

後世から見たら「あり得ない」データとなっただけの話で、

そのころの科学者はそのデータに疑問など持たなかった場合がたくさんありました。

これは、もちろんやってはならないことではありますが、

まあ研究者の勇み足と見れないこともない。

しかし、今回のはたぶん間違いなく科学的に間違えているだろうし、

現在の科学者の誰もがその結果を信じていないわけで、

そういう「明らかな嘘」をどうして公表しようと思ったのか疑問なのです。

もちろん、誰も目を通さないような科学誌に密かに投稿するのであれば

分からないでもない・・・いや、もちろん理解できません。

でも、後ろめたい気持ちがあれば

最低でもこういう態度に出るだろうという意味で「分かる」ということです。

なんだかこの人のメンタリティーを本当に知りたい、

これは科学的好奇心として知りたいなあと思います。

どこかの精神科医が分析してくれないものだろうか。