論理2
さて「体系」である。
「論理的に組織した知識の全体」とあるように、
体系には論理的関連が不可欠なのかもしれない。
というか、論理とは、特定の法則に従って導かれる結論への道筋みたいな解釈が一般的らしく、
ある物事から別の物事へ至る直線的な法則性のように思える。
ということは、私が考える論理体系とはこの「原因から結果にいたる道筋」が
複数絡み合って作るネットワークのような状態であり、
さらには、そのネットワークは回路のように閉じていなければならない状態だろうか?
まあ、ネットワークという言葉は感覚的に「閉じている」のが条件であるようにも感じるから、
あえて規定する必要はないだろうとも思うのだが、
単純に複数の論理を「原因→結果→原因→結果→・・・」と並べるだけでは
系は閉じない可能性もあり(閉じない関係性を「系」と呼んでいいのか分からないのだが)、
まあ、矢印を追いかけたら必ずどこかにつながるような論理の集合と言っていいかもしれない。
ただ、あくまでもゲノムという記号の集合体を考える上での系ということであり、
生命体は自ずから「開放系」であるわけで、
そこを無理に「閉鎖系」だと主張しているわけではない。
で、こういう感覚を私はたまに「ゲノムは曼荼羅」と呼んだりするのだが、
記号の集合が閉じたネットワークを作っていること、
ネットワーク自体に意味があること、
そして論理という以上、原因と結果にではなく、
その間に横たわる「関係性」に意味があることを表現しているつもりなのである。
だから、別の表現として「色即是空」ということもある。
ただし、仏教者の言う色即是空とはまったく捉え方が異なるようで、
あくまでも関係性という見えないものを空と捉え、
その原因や結果という見えるものを色と捉えただけの話である。