固有名詞

先日、言語学の体系的な本を斜め読みしていました。

その本の序に、「言語学は説明に固有名詞を使いすぎる」とありました。

言語という体系を科学的に解析する場合に、

固有名詞(この場合はソシュール・バルトなど人名を

あるいはその思想などをさしているようですが)は、

言語の体系的形態に本質的には関わりがないのに、

固有名詞を使うことで問題を複雑化(簡素化)していると言っているようだ。

 

で、私の頭の中は現代生物学の話につながる。

現代生物学も固有名詞に重きを置き過ぎている。

固有名詞に意味付けをした結果、

現象の客観化や相対化がおろそかにされてきたのと同様に、

固有名詞の意味のみに重点が置かれ、

あたかも固有名詞が重大な働きを持つかのような錯覚を

現時点で世界中の研究者に与えてしまった入ると思う。

もちろんここでいう固有名詞とは遺伝子・分子のことであることはいうまでもない。