勝負?
報道、それもヘッドライン程度しか知らないのだが、トランプ大統領が横槍を入れてワールドカップで出された裁定を覆させたようだ。この行為ってアメリカにとって良かったのだろうか?だって、実力でアメリカが勝ったとしても、トランプの脱法行為でベルギーが負けたと必ず言われるし、アメリカが負けたら、違法なことをしても勝てなかったと言われるのは目に見えている。仮にアメリカが優勝をしたとして、その優勝を世界中のサッカーファンが祝福するだろうか?甚だ疑問である。戦う前からアメリカにケチがついているようにしか思えない。
こういうことを考えていて大昔の大相撲のことを思い出した。二代貴乃花と武蔵丸との優勝決定戦の話である。貴乃花は膝に大きな怪我をして臨んだ戦いだった。勝負審判の九重親方が「痛かったらやめろ」と貴乃花に叫んだとも聞くくらい、膝の調子は絶望的だった。結果として貴乃花は武蔵丸を投げ飛ばして優勝し、表彰式で小泉総理から「感動した!」と言われた場面は今でもたまにテレビに出てくる。個人的な話だが、貴乃花は出てはならなかったと当時から思っていた。理由は、土俵に上がる前から勝負はついているからだ。怪我をして歩くのもおぼつかない相手と戦って、武蔵丸は勝てただろうか?ただでさえ、当時は若貴ブームである。かたや怪我をしても土俵に上がる国民的ヒーローだ。普通に勝てばバッシングの嵐だろう。こんなのは公平な勝負ではないと今でも思っている。貴乃花の独りよがりの正義感に武蔵丸が巻き込まれただけの相撲だったと思っている。同様のことは、ロサンジェルスオリンピックの柔道でも起こった。ふくらはぎの肉離れを起こしている山下泰裕が無差別級の決勝の畳に上がった。対戦相手のラシュワンは山下が負傷している足を攻めることができない。もっと言えば、負傷している足を狙えないだけでなく、健康な足を狙っても、もう片方の足で体を支えられないわけで、下半身を攻めたら容易に勝てるはずであるからこそ、ラシュワンは山下を攻めることができなくなった。結果として山下は金メダルを獲得した。貴乃花も山下泰裕も何も悪くはない。何に恥じることなく正々堂々と戦ったと言えるのだろう。ただ、対戦相手の心情を私は思う。私なら怪我をしている(明らかにハンディキャップを背負ったとわかる)相手とは戦いたくないし、そんな相手に対して勝つことはできないと考える。
完全な公平・平等はあり得ないのはわかるのだが、それでも互いにルールに則って最高の試合をした結果の勝敗であってほしい。アメリカの選手も、「大統領、余計なことをするなよ」と思ったのではなかろうか。
勝負に対する価値観は人それぞれに異なるから、私とは正反対の考え方をする人もいるだろう。だから、私の価値観を押し付けるつもりなど毛頭ない。「私はこう考える」ってだけの話である。