お天道様
日本人は「お天道様が見ている」という表現をして自らを律してきた。神様仏様とも言うし、「ご先祖様に顔向けができない」という表現もある。これが、唯一絶対の神と違う種類の神様のようなものかと思ってきたのだが、それも個人的にはしっくりとこない。
ある書物によると、日本人の考えるお天道様というのは、「人として生きるための道理」というか、「人として恥しくない行動の規範」「人たるものかくあるべきという倫(みち)」という感覚として書かれていた。究極の道徳感をお天道様にたとえたということであろう。こういう考え方はしっくりとくる。何かに命じられたからとか、何かの指示によってという感覚ではなく、人としてあるべき道に外れていないかという気高い理念を我々日本人は語り継いできたということなのだろうか。こう考えると、ラフカディオ=ハーンが世界で最も美しい言葉とした「おかげさま」という考え方もすっと腑に落ちる。