納豆

関西人は納豆を食べない、これは昔よく言われたことだし、明石家さんまさんも納豆を食べないそうで、一定年齢以上の関西人は納豆を食べない(食べられない)ひとが少なからずいる。かくいう私も、両親はいっさい納豆を食さなかったので、大学で一人暮らしをするまでは納豆というもの自体を目にしたことがなかった。

で、初めて食べた納豆は大学の食堂だった。これは感覚的なものなので実際のところはどうなのかはわからないが、かなり臭いと味が濃かったように思う。夏休みに自宅に戻り、近くのスーパーに納豆を買いに行った時にも、パッとは見つけられなかった。探してみると、棚の隅っこに押しやられて少しだけ並んでいて、藁で包まれた「昔ながら」の納豆も存在していた。買って帰って食べた感想も味も濃く臭いも強かったように思う。それから何年も経って、世に「臭いの少ない納豆」が登場したことからも、それ以前の納豆は臭いが強かったのではないかと想像するわけだ。記憶の美化も手伝っているのだろうが、いま売られている「臭いの少ない」納豆よりは美味しかったように思っている。

さて、このところの個人的な発酵ブームで、来年なにか発酵食品でも作ってみようかと思っている。パッと思うのは味噌かな。ただ、味噌って自分勝手に作られるものとも思えない。自家製味噌を作っている友人がいるが、そのひともどこかから味噌を作るセットを毎年買っているそうである。たぶん、発酵のための微生物が個人では手に入らないのだろう。だから、なんとなく自分で模型を作るというよりもプラモデルを作っているように感じてしまう。で、来年やってみたいこととして自家製納豆作りである。藁を手に入れて昔ながらの納豆を作ってみたいと思っている。そうすれば、昔の味の濃い納豆ができるのかもしれないなと思っている。問題は、関西の藁には納豆菌がいないとどこかで聞いたことがあるので、野生の納豆菌がいる藁をどう手に入れるのかだ。少し調べてみよう。