高野豆腐

高野豆腐を炊いた。常備している白ダシに日本酒と醤油・塩・味醂で味をつけたものに、お湯で戻した高野豆腐を入れて炊いただけであるが、こういう単純なものが美味いのだ。

話変わって、私は梅干しを漬けている。一番古いのはもう20年ものになるだろうか、数にして千個を下回らないくらいは余裕であるはずだ。昨年は梅が悪かったから見た目も良くない。だから、タネを外してプロセッサーでペーストにしたら、これが美味い。ご飯に乗せて食べたらなんとも言えない味わいである。これだけでご飯が3杯はいける。梅干しには私特有の使い道がある。それは出汁の味付けである。高野豆腐など味醂で甘くしたダシには合わないように思うが、菜っ葉とか里芋とかを炊くときなど、ダシに梅干しを一個入れると酸味がダシに合わさってなんとも言えない旨味になる。夏場に素麺を食べるとき、私は素麺を食べるというよりは薬味を食べると表現する方が正しいと感じるくらいにさまざまな薬味を大量に入れる。その時にもよるが、ネギと胡麻におろし生姜は外せない。大葉と茗荷を刻んだものも入れたいし刻み海苔も美味しい。私はそこに梅干しのペーストも入れる。暑い盛りに梅干しの酸味が食欲を増してくれる。塩分補給にもなるしクエン酸の補給にもなるだろう。

話を高野豆腐に戻そう。今でも浅学のそしりを免れないが、今よりもさらに無知であった若い頃の話。あるときに美味しい豆腐をいただいた。その時は何かの理由で食べられなかったので冷凍庫に入れた。数日後に解凍したらもはや豆腐ではなくなっていた。高野豆腐がこうやって作られることを知ったのはそれから数年経ってからだった。今でもたまに高野豆腐を炊いて食べるのだが、その度にこの時を思い出す。ポタージュスープを作るのも好きだ。単純にカボチャだけとかグリーンピースや空豆だけを炊いてからミキサーにかけてペースト状にしたものを牛乳で割ってから塩味をつけて食する。夏場は冷たく冷やす。これも多めに作って冷凍保存しておくと便利だ。あるときにじゃがいものポタージュを作った。ビシソワーズと呼ぶのを後で知った。美味しくできたのでこれも冷凍保存した。解凍したらまったくの別物に変わっていた。ジャガイモを凍らせたらダメなことを知らなかった。思い起こせばいろいろと失敗してきたなあ。まあ、何を作るにしてもレシピを調べたりしないので仕方ない。ちなみに、うちには砂糖がないので甘味は味醂だけである。このほんのりとした甘さが私には合っている。