解雇権

自民党の総裁選で「解雇権」に関する議論がされている。報道を見る限り、解雇規制の緩和には概ね反対意見が多いようだ。

一つ疑問がある。最近も同様のことを書いたのだが、今の法律では一旦入社したらその権利はかなり強く守られている。問題と思えるのは、入社時の経歴に虚偽があったとしても、それを理由に解雇できないという点である。学歴・経歴や資格など全般的に判断して、そのほかの応募者ではなくこの人を雇用しようと判断したわけで、逆に言えばこの経歴が嘘であったらこの人を雇用する判断には至らなかった。これを解雇できないとする理屈がわからないのだが、現行法で解雇が認められていないのであれば、法律は変えられるべきだろうと思う。これがありなら、履歴書にどんな嘘を書いてでも雇用されたらこっちのものだという論理が成立してしまう。

何でもかんでも解雇権を拡大するのは確かに危ういと思う。しかし、普通に考えて「これはおかしい」と思えるものまで守られるのもどうかと思う。