チェコ語

槍投げの北口榛花選手がインタビューで流暢なチェコ語を話していると話題になっている。youtubeでそれを聞くと、途中で英語が混ざっている。たぶん、英語もチェコ語も同じ感覚になっていて、いま自分が何語を話しているのか混乱しているのだろうと思う。日本語から翻訳する作業をしていたらこんなことは起きない。その時の状況や感情を表現する文章を脳の中から直接探し出して音にするから、間違えて英語の文章が口をついて出てくるのだろう。

レベルは相当落ちるのだが、似たような経験を何度かしたことがある。例えば外国人の友人が遊びにきた時の話。夕食で居酒屋に入ってカウンター席に座った。友人とはもちろん英語で話す。そして、カウンター越しにその店のご主人に料理を注文する。もちろんこの場合は日本語である。ただ、日本語で考え、それを英語に訳すことをしていないので、これを繰り返していると、自分が発する言葉が何語なのか咄嗟に判断できず、カウンターの中にいるご主人に英語で語りかけてしまう。日本人とアメリカ人と私の三人で会話している時にも同様のことはしばしば起きる。自分の意思を言葉にしているだけの状況なので、何語で話しているのかが咄嗟に判断できなくなるのだ。

今の状況を的確に表現する文章を探す時に、言語のカテゴリーから探すはずが、意味から探してしまったためにこういう混乱が生じたのだろうな。