動き始めたかも?
両生類の原腸形成を説明するモデルが完成し論文も受理されました。
「わかった、わかった、シュペーマンは間違えていた!
はいはい、それでお前は何がしたいんだ」などと
このモデルは「現状否定」だと受け取られる傾向が高いのですが、
実は、この正しいモデルから新しいことがたくさん見えてくるのです。
まず、おそらく脊索動物の形づくりのプロセスが統一的に説明できます。
また、このモデルに沿ってトリの形づくりの過程を見た場合に
教科書的な記載では説明つかないところが出てきますが、
そこでひとつの作業仮説が立てられます。
すなわち、教科書の記載が間違えているのではないかということです。
同様のことは哺乳類の発生にも言えます。
この作業仮説を確認するために実験を組むことになります。
しかし、トリやマウスなど橋本にはちょっと荷が重いので
共同研究することになります。
実は、京都大学の阿形清和教授との共同研究の話が進んでいます。
阿形さんは橋本の考え方をかなり高く評価して下さっており、
トリとカエルは同じだと強く信じて下さっています。
その上で、更なる仮説をお話ししたところかなり驚いて下さり、
それを確認する実験を始めることとなりました。
脊椎動物の形づくりの機構はカエルのモデルを中心にしてすべて語ることができるという、
ほんの数年前には誰もが鼻で笑っていた橋本の妄想が現実味を帯びてきたようです。
ナメクジウオとヒトの原腸形成機構が原則的にまったく同じって誰が想像しましたか?
かなり面白くなりそうです。