食材偽装
食材偽装のことを風呂の中で読書しながら考えてみた
(ってことは大して考えていないってことだな)。
で、言葉にはなかなかしづらいのだが、
問題は、「価格と信用の相関」だろうと思うのだ。
たとえば「本マグロ」とか「明石鯛」とか銘打った食材が
一皿100円の寿司屋で出ていたとして、
それが本当はまったくの別ものだった場合に
偽装には相違ないのだがどれだけ問題になるだろうか?
近所の定食屋で「生サンマの塩焼き」が冷凍サンマだったとして
それが店の信用にどれだけ触るのだろうか?
何となくそんなものが100円で食べられるとは思っていないし、
もっと言えば冷凍であろうが生であろうが気にならないレベルの場所だろうと思うのである。
対して一流のホテルは信用を売りにしている。
信用=名前でお金をとっているのは間違いない。
こういうところで生と書けば生でなくてはならない。
それだけの価格設定になっているはずだ。
サービス料とホテル側は言うかもしれない。
その辺のレストランとは一緒にしないでほしいというかもしれない。
しかし、そのサービスに対してその価格が認められる理由は
「信用」に裏付けされているはずである。
材料はちょっと間違ってたけど、サービスはホテルのサービスをしたから
相応のお金をもらって当然であるという考えは勘違いも甚だしいだろう。
「本来の食材との価格の違いは50円です」って、
その50円で、サービスに支払われるべき価格すらも低下することになるのが
理解できていないからこそこのような発言が飛び出るのだろう。
たった1円であっても客を欺いた時点で、
そこで行なわれるすべてのサービスの水準は最低レベルにまで低下したと考えるべきだし、
サービスに支払われる対価も最低水準の価格設定にしなければおかしい。
そもそも信用とはそういうものだろう。
法律論からいけば低価格帯の店も高価格帯の店も偽装は同様にいけないこととなるだろうが、
個人的に感じるのは、価格を決めるのは材料の値段ではなく信用の値段だということだろう。
偽装の発端となったホテルの社長が会見を行なった際の映像で、
肩肘をついて受け答えをしているように(少なくとも私には)見えたが、
この時点で、もはやいかに一流の食材を利益度外視で使おうが
このホテルは一流の価格を設定するに値しないところだと個人的には感じた。
自分に非がある、あるいは自分のせいで他人に害を与えたと考えれば
人は自ずから背筋(せすじ)は伸びるものだと思う。
下衆の勘ぐりだろうがこの人は自分たちが悪いとはまったく思っていないのだろうなと思った。
あくまでも個人の感想なのでそう思わない人の方が多いのかもしれないが。