論文が通りました

村戸くんの研究が論文としてまとまりました。

これで山口さんの「脊索前板」、永友くんの「神経堤」に続いて

村戸くんの「プラコード」とhairy三部作が世に出たこととなります。

私たちは、進化の過程での脊椎動物の登場を初期胚での細胞数の増加が原因の1つだろうと推測しています。

その推測をこれらの論文によって少しだけ後押しできたかな?などと思っています。

 

実はこの次に前脳中脳境界(isthumus)の形成過程におけるhairyの役割について調べ

最終的に境界領域の決定とhairyとの進化的な意味についてまとめたいところなのですが

このテーマをしてくれる人がいませんので一先ずは宙づり状態です。

境界も、個体発生の途中では境界の前後の細胞と同様の細胞であるわけで、

そこにhairyが機能することによって何らかの性質を持ち、 その結果として境界、すなわち何もない領域となることです。

また、様々な生物種を見ても、発生過程で境界を形づくる時には hairyの関連遺伝子がその場に発現しています。

これらの中に生物の論理が隠れていないだろうか?ってことです。

hairyを転写因子として分子生物学的に扱ってはその意味は霧散しますから、

hairyの発現する領域が一義的に有する意味を見てみたいと思います。

さて、いつになったらこれにアプローチできるのかな???