グリーンバックス

グリーンバックスって言葉をご存知だろうか?

これはアメリカドルを意味する言葉で、

昔(たしか南北戦争のころ)、政府が発行した紙幣の裏が緑だったことに由来するそうだ。

だから(かどうか知らないが)現在も米ドル紙幣は裏が緑である。

 

米ドルのことを口語でバックという。

5ドルならファイブ・バックスという感じで用いる。

これは本当にアメリカで普通に聴く言葉である。

このバックとは鹿の革のことで、

昔に鹿の革がお金代わりに使われていたときの名残らしい。

 

で、なにが言いたいのかというと、

わたしはアメリカに住んでいたときに鹿の革の方しか耳にしなかった。

要は、米ドルをさす「バック」を鹿の方しか知らなかったのだ。

だから、日本のとある小説の中に

「ドルのことをグリーンバックというのは裏が緑だからだ」なんて表記を見たとき

「作者はバックを裏の意味だと思っている」

「鹿の革ってことを知らないんだ」って少しバカにして読んだ。

「こんな間違いを文章で公表するなんて恥ずかしいな」とも思った。

しかし、その後にグリーンバックというモノの存在を知りびっくりした。

もちろん両者の綴りは異なる。

裏はback、鹿の革はbuckである。

だからアメリカ滞在中にグリーンバックの発音を聴いていたら分かったかもしれない。

発音の違いを強いてカタカナで表せば

裏はビャアックで、鹿の方はバックだろう(・・・無理があるなあ)。

 

なにが言いたいのかだが、

自分が他人を評価する時に自分の知識・価値観のみで評価しがちだが、

これがなんとも恐ろしい勘違いをはらむということ。

自分が知らないだけなのに相手を見下してしまう。

それから、自分が表現する時に正しいことを言ったとしても、

そのことを知らない人から言われもない誤解を受ける可能性があるということである。

 

いやあ、おっそろしくてビビるなあ。

そういえば、ブログを始めたころはかなりビビっていた。

こんな文章を人様の目にさらして大丈夫なのか?とすら思った。

でも最近は悪い意味でちょっと慣れてきたように感じる。

当初の緊張感が薄れてきた。

気を入れ直さないといけないかも。