子供のしつけについて

昨日の続きである。

まあ、私がこの話を書く資格はないだろう。

だから、しつけそのものの議論をするのではない。

 

昔から、おそらく今でもいわれているであろうことがある。

「ほら、あのおじちゃんが怒っているから静かにしなさい!」である。

このしつけ?に対して、

「他人が怒っているからではなく、いけないことなのだと教えるべきだ」との議論だ。

これは私が子供のころから耳にしてきたように思う。

で、あらためてこれを思った。

さて、たしかにこの言い方を戒める理屈は正しい。

しかし、それをもう少し考えると、

「もしかしたら、この言い回しのような思考が日本社会なのかもしれない」とおもう。

もちろん、母親の言い方としては自分の責任を放棄し

他人のせいにして子供を言い聞かせようとしているのだから、

言われた「おじちゃん」からすれば迷惑な話しだろう。

この意味では母親の言い分に賛成はまったくできない。

しかし、他人が迷惑をしていること、

それを通り越えて他人が怒っていることを教えるというのは、

他人の気持ちを慮るという文化として日本社会に根付いていると感じる。

対して、自分自身の振る舞い自体を考えるのはやはり西洋人の価値観のように思う。

考える主体をどこに置くのかという問題なのだが

「おじさんが怒っている」だから「やめなさい」ってのは、

この言い回しの不備はともかくとしてきわめて日本的な気がするのだ。