大学院講義

昨日,大学院の講義をしてきました。

昨年までは毎週3回連続で行くという形式だったのですが、

今年からは一日で4コマ分の時間が与えられることとなりました。

朝10時半から夜6時までって感じです。

もちろんこの時間目一杯講義をされる先生はいらっしゃらないようで、

人によって時間が異なるということのようです。

 

さて、私はあまり研究の詳細を話すことをいたしません。

それは、本職以外には絶対興味が無いと思うからです。

大学院の学生さんはすでに様々な研究室に配属され、

それぞれの研究テーマがある訳ですから、

そこに両生類の研究の詳細を話すことに意味があると思えないのです。

 

で、何の話をするのかといえば、

他からはあまり聞くことのできない概念的な話をしようと心がけています。

研究の詳細ではなく、その研究に至る哲学や

その哲学に照らして研究結果を解析した時に見えてくる新たな視界について、

詳細では正確ではないかもしれないけれど、

可能な限り大きな視点からの概観をお見せできるように努力しています。

それは、私自身は研究にとって最も重要なことは、

枝葉末節の、あるいは目先の事実ではなく、

ちょっと引いたところから眺めた時の眺望にあると思っているからです。

 

昨日は午前中を構造論と呼ばれる哲学大系のさわりを話しました。

午後に、両生類の形づくりを発生と進化の局面からどう見えるのかについて概観しました。

講義のあとには何人かから有意義な質問もいただき、

まああれはあれでよかったのかなと思っています。

 

万人ウケするのは不可能だと思っています。

だから私の話がつまらないと思えば睡魔に襲われるでしょう。

それはそれで仕方ないと思っています。

ただ、いつ見ても目があう人は数人いてくれると

何となくほっとするのも事実です。