AIJの問題って

AIJの社長が逮捕されたそうだ。

彼はこれまで「だますつもりはなかった」と否定し続けていた。

しかし、運用成績を改ざんして顧客に示していたことを自らが認めていたし、

新規の預かり金を解約の払い戻しにあてていた「自転車操業」を認めてもいた。

これで「だますつもりはなかった」という意味が理解できない。

曰く「利益を求めて動くのが『だます』であり、私は利益を求めてない」

曰く「だます意図を持って新規募集したわけではない」

曰く「虚偽というより水増し。水増しに悪意はない」と

ちょっと普通に考えて理解できない「説明」を繰り返した。

損失を隠し続けたことも「損した形で顧客に返したくなかった」そうだ。

 

で、疑問である。

預かり金の大半を失った会社の社長は多額の報酬を得ることはできないだろう。

しかし、帳簿上は「儲かっている」ことになっているのだから

多額の報酬を実際に得ていた。

そして、それは「正当報酬」だという訳だが、

この論点がまったく理解できない。

実際にかなりの損失を出している会社を経営していることは当の本人が分かっている。

しかし、本当に「顧客のため」というのであれば、

どんなかたちにしても自分に対する報酬は受け取ってはならないだろう。

それが「正当な報酬」である根拠自体が「捏造された運用実績」であったのだから、

正当であろうはずはないと思う。

やったことが法的にどう認識されるのかは私には分からない。

しかし、道義的というより遥か以前のレベルで理屈がまったく通っていない。

このレベルの論理展開で乗り切れる国会の証人喚問ってのもどうなんだろう?

 

まあ、新聞記事のほんの少ししか読んでいないので

私が大きな誤解をしているのかもしれないのだが、

でも、大赤字の会社を帳簿上は黒字に見せかけて顧客を募ったことや、

黒字に見せかけたからこその巨額報酬を受け取ったことはおそらく事実だろうから、

まあ、普通に考えておかしいよね。