テルマエ・ロマエ
週末に標記の映画を見に行きました。
単純に面白かった。
しかし、ネットで評価を見ると、
「上戸彩が要らん!」ってのが多い。
私は原作を知りませんからあれで十分によく書けたシナリオだったと思います。
しかし、もしかしたら原作では雰囲気が全く違っていたのでしょう。
まあ、この手のことはよくあることです。
マンガでも小説でも、原作に思い入れがあればあるほど、
でき上がった映像作品に対して不満を覚えます。
犬神家の一族なんかでタマヨさんは絶世の美女です。
で、それを演じる女優さんの顔が、
たとえ美女でも見る者の美意識と異なっていれば
「あれはないわ」となるのは間違いない。
ここで話は落語に転じます。
落語は老若男女すべてを一瞬で演じ分けます。
美女も醜女も話し方と素振りだけで演じます。
はっきり言ってこれはすごいと思う反面、
落語だからこそできる技のような気もします。
それは、演技はすれどその「映像化」は観客に任せているからで、
そうすれば、話芸の技術が秀でて高ければ、
全ての人が思う美女を全ての人の頭の中に登場させられる訳です。
もちろん落語の技を演劇と比較して何かを言える訳ではありません。
たぶん、互いに一長一短、いろいろあるんでしょうね。
でも、テルマエ・ロマエは面白かった。
先入観のない方には特にお薦めです。
なんとなく南極料理人を見に行った時のような感覚というか、
まあほっこりと平和な気持ちにさせてくれました。