数理生物学
数学で生きものを考える学問は
おそらく半世紀以上は経過していますから
それほど最近のものではないでしょう。
でも、やはり最近はパソコンの発達もあってか華やかになっているようです。
で、何となく感じるのですが、
一部の研究者は難しい本質的な問題に真正面から取り組んでいますが、
わりと多くの研究者は、数学で解けそうな問題を選んで取り組んでいるように思えます。
それが悪いと言うのではありませんが、
なんと言うのか、たとえ数式で見せられても、
「それはそうだろうなあ」と思ってしまうような現象、
たとえは悪いかも知れませんが、
何かの周期性を見せる生命現象は、私のような素人にも数式で書けそうだと想像できます。
それを数式で示されても私には驚きがないのです。
これは数学に限らず、「何かそんな分子があるだろうな」と想像しているものを
「大発見」と見せられてもなんだか白けてしまうというか、
それよりは、いつも例に挙げるピーター=ミッチェルのように
まったく新しい驚きをみせてもらいたいなと思ってしまうのです。
左右を決める遺伝子の探索なんてことをされても驚きはありませんが、
広川さんのノード流には感動した。
近藤滋さんの縞模様の話を初めてNature誌上で見た時にはぶっ飛びました。
あくまでも私の個人的な価値観においての話ですが、
どうせ数学という新しい方法論で生物学に切り込んでくるのだから、
生物学として本質的に面白い本流の現象に挑戦してほしいと思います。
これは算数のできない生物学者からのお願いであり期待であり
僭越ながらエールでもあります。