土足?
このところ気になっていることがあります。
中高年の登山ブームがいつからなのか知りませんが、
この数年、電車で山登りの格好をした年配の男女によく出会います。
私は若い頃に山登りをしていましたから何となくわかりますし、
どなたにでもご理解いただけることだろうと思うのですが、
山に綺麗(清潔?)な場所などありません。
綺麗というのは「美しい」という意味ではなく、
「土足厳禁」の場所が存在しないということです。
疲れたら岩の上や土の上に座ります。
場合によったら寝転がることもあるでしょうし、
それはなにも問題ではありません。
ぬかるみや湿地で足を取られて転ぶこともあるかも知れません。
ズボンやシャツが泥だらけになるのも言ってみれば山歩きの醍醐味の一つでしょう。
だから、ここまではなんとも思わないのですが、
気になることは、この人たちが「下界」に降り立ってから、
「自分の体は汚い」との意識がないままに、
一般の人と同じような振る舞いをすることなのです。
普通に座席に座りますが、獣の糞があったかもしれない場所に座ったズボンで
普通に店に入り椅子に腰を下ろす。
プラットホームのベンチに腰をかけ、
電車に乗ったら他人をかき分け一目散に座席を占領しようとする。
全ての人がそうとは思えませんが、
でも少なからずこういう人がいます。
ときには、その人たちが降りたあとの座席は砂まみれの時も。
山から下りたら「自分は汚いと認識するように」私たちは躾けられました。
だから余計に気になります。
同じ流れでもう一つ。
いつの頃からかキャスター付きのバッグで普通に街を歩くのを見ます。
駅など混雑したところで何回つまづいたことか。
それはともかく、キャスター付きの荷物は階段以外で手に持って歩きませんよね。
ということは、それこそずっと道を引きずってきているわけです。
動物の糞尿も、人の吐いた痰もいろいろとあるであろう場所を引きずって
目的地まで到達する目的に為の道具だから仕方ありませんが。
で、先日ウチに飲み会でお越しになった方がキャスターバッグでお越しでした。
私は当然玄関に置くだろうと疑いもせずにいたのですが、
これまたあまりにも当然のように、何のためらいもなければ、
許可を求めるそぶりも見せることなく、
外からころころと引いてきたバッグをそのまま家の上にあげました。
玄関で止まることなく、居間のソファ横にまで達しました。
おそらくご本人の家でも同じようなことをしているのでしょうから、
躊躇するという気持ちすら浮かばなかったのだろうと思います。
でも、これは少なくともこの手のバッグを使う習慣のない人には
ものすごく違和感のあるものです。
裸足で外を走り回ってきた子供たちや犬を、
足を拭いたり洗ったりすることなくそのまま家に上げるってことで、
もちろんそういう家もあるでしょうが、
おそらく一般的に見たら違和感のある人の方がおかしいんじゃないかな?
かくいう私もおそらく他人の価値観から見れば「???」となる行動をとっているでしょう。
なんだか気をつけなければならないなあと思う瞬間でした。