文句

京都で友人がやっていたイタリア料理屋によく行っていた。

もうこれ以上塩味が濃かったら食べれないだろうと思えるギリギリの味付けだったが、

私には、味がしっかり付いていておいしかった。

京大の近くだったので(なのか?)量も多く値段も手頃な店だった。

ただ、私はいつもワインを片手に「これを飲ませて」と行っていたので、

メニューにある料理を注文することはなく、

少しずつとにかくいろいろと出してもらっていた。

で、白ワインは店のを、赤ワインは持参したものを飲んでいた。

 

食事の終わりかけで店の人間と飲んでいた時に聞いた話だが、

あるとき、食べ終わった客に呼ばれ、

テーブルの横に立たされたまま長時間にわたって文句を聞かされたそうだ。

内容は「塩辛すぎる、これはドイツ料理か!」ってことだったらしい。

私にはこの客の神経が理解できない。

口に合わなければ二度と来なければ良いだけの話だと思う。

自分の好みに合わないという理由で店の人間を責め立てる気持ちがわからない。

価値観は人により異なるわけで、それを美味しいと思う人間もいる。

それは尊重すべきだと思うのだ。

その上で自分の口に合わなければもう食べに来ないということで良いじゃないかと思う。

 

私にも、味や対応などでもう行かないと決めている店はある。

しかし、誰が見てもひどいと思える対応をされない限り店に文句など言わないし、

それは我慢をしているというよりは、

自分の好みに合わないという理由で文句を言うという行為自体を正当化できると思っていないのだ。

 

味の問題とは違うがこの店は昨年の秋に店を閉めてしまった。

そういえば昨年はよく利用していた店が相次いで閉店した。

パッと思いつくだけでも5件は閉めてしまった。

私の行ないが悪いのか?と少々悩んだこともあった。

今でも、とっさの時に行く店を探すのに苦労する。

自分にあった店を探すってなかなか難しいんだよね。