さよなら子供たち

ルイ=マル監督の「さよなら子供たち」を見た。

何の盛り上がりもない、淡々と最後まで進む映画だった。

ただただ、見入ってしまった。

なんだろう、自分の語彙のなさに、

自分の表現力の稚拙さにいらだつこの感覚は。

 

話を少し変える。

この映画はアマゾンの映画評を見て購入した。

映画評には、特に熱心にその映画を支持する人たちの文章には、

時として書き過ぎがある。

そして、この映画を見終わった瞬間に、

無垢の気持ちで見たかったと本当に思った。

以前にも書いたが、優れた評論は時に素晴らしい道案内人になる

(たとえばhttps://hashimochi.com/archives/3436を参照してください)。

だから、評論を先に読むことが悪いとは思わない。

でも、この映画の評論はあとから読む方がいい。

知らなかった歴史や事実があるから、

もちろん見落としや気付かずに流れたシーンもあるから、

評論によって気付かされることは大切だろうと思う。

しかし、この映画はぜひなにも知らずに見ていただきたい。

私はとても感動した。

だからその感動を伝えたい。

でも、あえて多くを語ろうとは思わない。

 

ひとことだけ雰囲気だけ近い映画をあげるとすれば

共にイタリア映画の「ニューシネマパラダイス」と「ライフイズビューティフル」かな?

これには共感を得られない可能性が高いとは思うが、

私には映画の「臭い」が共通するような気がした。

ご覧になりたい方、もちろんお貸ししますよ。

 

蛇足だが、ルイ=マル監督が初めて撮った映画は

あの、マイルス=デイビスのトランペットが光る「死刑台のエレベータ」である。

フランス映画にはフランス映画の臭いがどこかに残っていますね。