原発は・・・
昨日のこの欄で長々と書き連ねた為にいろいろと誤解を生んだかもしれない。
ただ、言いたいことが「想定値の置き方」に関することだったので、
具体的には「想定値は科学的根拠ではなく政治的道具として使われている」という疑問や、
「(特に原発や空港では)危機管理意識をできうる限り厳しくもって欲しい」という希望を
今回の地震にからめて書いておきたかったので、
それ以外のことを書かなかったのだが、
私は原発反対派ではない。
賛成派とまでは言えないものの、どちらかといえば賛成側に寄っていると思う。
ただし、昨日の本欄に書いたことが守られていることは大前提である。
危険があるならその危険を明確に提示して欲しい。
最悪の想定を具体的に明らかとして欲しい。
危機意識を国と国民で共有したい。
何も示されずに「安全です」「人体に影響はありません」ではまったく安心できないし、
これが続けられる限り原発には反対であるということ。
「安全です」安心して下さい」と言える根拠をつまびらかにしなさいということだけ。
もちろん、すべての国家情報を開示せよと主張するつもりはない。
国家機密に関するものまで知りたいとは思わない。
原発テロを憂慮したら、敷地や施設の内部構造を開示すべきだとも思わない。
この意味では官房機密費も、警察の裏金もある程度は許容できる価値観をもっている。
ただ、だからと言って我々の安全に密接に関わる情報に関しては
実測値や計算値・想定値などを公表すべきだと真面目に思うし、
私が研究者だからそう感じるだけなのかもしれないが、
それらを公表しないことに理解は示せない。
まあ、これは原発に限ることではなく、
あらゆる公共事業に対してもその態度は同じであってしかるべきだし、
この「国民軽視」「情報管理(抱え込み)」の姿勢が
国民の不信感を煽り、政府(政権与党)への不信感となって
昨年の政権交代のひとつの原動力になったような気さえする。
ただ、これは政治の問題というよりは役所の問題だろうとは感じるが・・・。
なんだか言うても詮無きことばかりだなあ。