藤原京

藤原京の祭祀で旗を掲揚する柱跡が見つかった。藤原京は日本最古の都であり、研究者らは「この時期にはすでに祭祀のかたちが出来上がっていたことを示す重要な資料である」と語っている。

さて、ここでも「かたち」という言葉が使われている。言い換えれば形式という意味であろう。私は講義などで「かたちって何ですか?」と聞く。すると「輪郭を持つもの」のような答えが多いように思う。でも、日本語の「かたち」という言葉には輪郭を持つ固い物の「かたち」ではない意味がある。

おそらく誰もが意識せずに使っている言葉だけど、日本語の「かたち」という言葉はドイツ語の「ゲシュタルト」の概念がしっかり入った言葉なのである。